指導方針


フルスイング

八王子シニアのグランドには「フルスイングだ~ッ!」という掛け声が良く響きます。

制球難の小学生には時折り出塁せんが為のバントの構えでの待球ポーズが見られますが、個人の打撃能力を磨く小学校~中学までの間に積極的に打つことを身に付けなければ、高校以上で伸びる訳がないという方針が八王子シニアの根幹です。
チャンスであれ、ピンチであれ、バッティングカウントで待球が指示される事はありません。
「積極的に打つ」のです。
しかも決して当てに行く事は許されません。振るならフルスイングです。
それは八王子シニアの目指しているものが、今を勝つ事も当然ですが、それ以上に選手が高校以上で通用し、花開いて欲しいと願っているからに他なりません。
思い切りのいい豪快な空振り三振でベンチに帰って来る選手を「いいスイングだった。」
と誉める事など、めったに見られない光景でしょう。
またレギュラー外だった選手が、各高校で主力になるという事も多々あり、これこそ全員が等しく鍛えられた証であると思います。

八王子シニアは『打撃の八王子』という印象を周囲に強く持たれていますが、3年生になる頃には対外試合でも平均飛距離が10m以上違って来ます。
これこそ日々のフルスイングと積極打撃の賜物なのです。

バント練習だってたくさん行います。必要な時には試合でバントもします。高校以上に行ったらバントがいかに重要なのかもしっかり教えます。その為の技も身につけます。
でもやっぱりフルスイングなのです。

例えば三年生最後の夏季大会。
相手だって辛い練習に耐えて来て最後の大会を迎えました。たまたま我が方が大量点でコールドの展開。
あと1点取ればコールド成立。ランナーは三塁に。スクイズでコールドという場面。
でも決して八王子シニアはスクイズをしません。
そんな形で相手の三年生を終わらせてはいけないと考えているからです。

力一杯頑張っている相手をいなして終わらせる事など出来ません。
勝つなら打って決める。
楽に勝つ選択もある中、そんな愚直なまでのポリシーで、みすみすコールドを逃して最終回まで試合が行われることだってあります。
逆転負けの恐れも全く無い訳ではありません。
観戦者からは「なんでスクイズしないの?」と不思議に思われることだってあります。
最後の本大会ですから、連戦になれば投手を早く休ませたい気持ちもあります。
でも、やっぱりフルスイングなのです。
そうして最後の最後まで力一杯に戦って行きたい。
それが相手に対する礼儀であり、いずれ社会に巣立って行く選手たちにも感じ取って欲しいと願っているからです。

「だって、投げるボールを打つ事から野球は始まったんだから。」
「野球は打つことが一番楽しいんだから。打っていかなきゃ野球じゃない。」
八王子シニア指導者の合言葉です。

力と力で互角の勝負。互いに読み合い、たった一つのチャンスをものにする。
その時こそ渾身のスクイズを決めます。しっかり磨いた一発必中の技で!